レベル1:タイヤ下半分(〜約15–20cm)
車種差はあるものの、ブレーキローター・タイヤ周りの交換で復帰するケースが中心。電装への侵入がなければ修理継続の余地。※始動前点検は必須


水没車・冠水車・水害/
結論:水没車(冠水車)の修理可否は「浸水の高さ」と「電装・エンジン被害」の有無が最大の判断軸です。米国道路交通安全局(NHTSA)やFTC(米連邦取引委員会)は、冠水後は安易にエンジンを始動せず、専門家による点検を強く推奨しています。これは見えない電装・センサー損傷やEVのバッテリーリスクがあるためです。
車種差はあるものの、ブレーキローター・タイヤ周りの交換で復帰するケースが中心。電装への侵入がなければ修理継続の余地。※始動前点検は必須
エンジン吸気・排気経路に水が入ると失火・停止・内部損傷のリスクが急上昇。むやみに始動せず、専門業者での圧縮圧・電装診断を。
室内浸水は広範な電装・センサー、ECU、ハーネス、HV/EVバッテリーに及ぶ可能性。衛生面(汚水・カビ)も課題で、買い替え・売却が現実的。EVの二次災害を避けるための隔離・点検は必須。
国内の査定実務では一般財団法人 日本自動車査定協会(JAAI)の「中古自動車査定基準」が参照され、冠水車の減点率が明記されています(改訂資料)。
| 浸水レベル | JAAI 減点率 | 実務メモ |
|---|---|---|
| フロアまで | 30% | 床下電装・配線要点検 |
| シート上部まで | 40% | 衛生・臭気/電装劣化リスク高 |
| ダッシュ上部〜 | (50~70%) | ECU/ハーネス/エアバッグ系統等 |
※ 出典:JAAI「加減点基準 一部変更および追加のお知らせ」(冠水車の減点率に関する改訂)
日本国内では冠水履歴のある車は需要が弱く、JAAI減点や衛生・電装リスクのため中古車店舗の再販は難しいのが実情。一方、海外では「修復前提」や部品取り目的のサルベージ市場が形成されており、米大手オークション(Copart/IAA)の決算・業界レポートやメディアは輸出を含む国際需要に言及しています。
| 部位/作業 | 概算費用 | 注意点 |
|---|---|---|
| ブレーキローター | 約2〜3万円 | 錆進行で交換推奨 |
| ドライブシャフト | 約10〜20万円 | 潤滑グリス流出・砂泥混入 |
| エンジンOH/載替 | 約8〜50万 / 10〜100万円 | 始動厳禁 |
| 電装(オルタ/センサー等) | 合計10〜20万円+ | ショート/腐食リスク |
| HV/EV駆動用バッテリー | 約15万円〜 | 塩水・浸漬時は隔離点検 |
※費用は一般相場の目安。実際は車種・年式・損傷範囲・部品価格で大きく変動。
米国のサルベージ市場では、人件費・部品価格・規制の差により、国内で「全損(トータルロス)」判定の車が海外で再生・再販される構造が報じられています(決算・業界レポート/報道)。
一方、冠水車の越境販売は各国の保安・環境規制に左右され、受入国の検査・再建証明が求められる場合があります。
購入者保護の観点では、FTCが購入時の注意点(臭気・砂泥・錆・VIN履歴照合)を詳細に示しています。
参考・根拠:NHTSA「Hurricane and Flood-Damaged Vehicles」/同「Flood-Damaged Vehicle Inspection」、FTC「Avoid/How to steer clear of flood-damaged cars」、JAAI「加減点基準(冠水車の減点率)」、Copart/IAAの公開情報・報道(Reuters/IAAレポート)、越境条件の実務例(再建証明等)、CARFAXの統計・推計(2024〜2025)

| 年式 | 2019年 |
|---|---|
| 走行距離 | 83,000km |
| 破損箇所 | 事故車 前方損傷(修復歴有) |

| 年式 | 2012年 |
|---|---|
| 走行距離 | 112,000Km |
| 破損箇所 | 災害車(冠水車) |

| 年式 | 2021年 |
|---|---|
| 走行距離 | 36,000Km |
| 破損箇所 | 事故車 後方損傷(修復歴有) |

| 年式 | 2022年 |
|---|---|
| 走行距離 | 5,000km |
| 破損箇所 | 事故車 後方損傷) |

| 年式 | 2023年 |
|---|---|
| 走行距離 | 21,000km |
| 破損箇所 | 事故車 前方損傷(修復歴有) |

| 年式 | 2015年 |
|---|---|
| 走行距離 | 44,000km |
| 破損箇所 | 故障車(ミッション不良) |