目次
1.中古車輸出の全体像と輸出台数ランキング(最新データ)
日本から海外へ輸出される中古車は、年々増加傾向にあります。
2024年には中古乗用車の輸出台数が約136万台に達し、国内中古車流通においても「輸出需要」は無視できない存在となりました。
特に近年は、国内で評価が下がりやすい過走行車・事故車・水没車であっても、海外では実用車として需要があり、輸出向けとして再評価されるケースが増えています。

2.中古車輸出の主要国:国別の特徴と需要(ロシア/UAE/モンゴル等)
ロシアは長年、日本の中古車輸出における最大市場でした。
現在は排気量2000cc超の車両などに制限がありますが、2000cc以下のガソリン車・ハイブリッド車・軽自動車については、引き続き需要が存在します。走行距離よりも「寒冷地でも使えるか」「修理しやすいか」が重視される傾向があります。
各国別|中古車輸出の最新傾向とポイント解説(2022〜2025年)



ロシア
2024年:199,085台 / ¥2,112億 / 平均106万円
依然として最大市場。2000cc超は規制対象だが、2000cc以下やHV・軽は継続輸出。
アラブ首長国連邦
2024年:198,944台 / ¥877億 / 平均44万円
ドバイ港を中心に再輸出拠点。事故車・水没車も再販可能。
タンザニア
2024年:66,961台 / ¥385億 / 平均57万円
東アフリカ市場の中心。中古SUV・商用車が人気。
モンゴル
2024年:106,295台 / ¥1,042億 / 平均98万円
SUV・4WD需要が高く、ロシア向け陸路拠点としても重要。
ニュージーランド
2024年:77,780台 / ¥611億 / 平均78万円
日本車輸入依存度が非常に高く、ハイブリッドや低走行車が好まれる。
チリ
2024年:56,684台 / ¥669億 / 平均35万円
南米輸出の玄関口。コンパクトカー・軽バン需要が安定。
ケニア
2024年:56,893台 / ¥199億 / 平均116万円
日本車の信頼度が高く、SUVやトヨタ車が主流。
スリランカ
2024年:79台 / ¥2億 / 平均286万円
輸出台数は少ないが高単価の中古車が中心。
南アフリカ共和国
2024年:44,958台 / ¥142億 / 平均31万円
周辺国への再販が多く、低価格車需要が中心。
マレーシア
2024年:37,504台 / ¥1,618億 / 平均431万円
平均単価が突出して高く、12カ月以上-60カ月未満の需要が強い。
パキスタン
2024年:36,164台 / ¥539億 / 平均149万円
軽・小型車需要が根強い。修理前提の安価車両も流通。事故車両のニーズもあり。
3.なぜロシアが減った?代替先(UAE・モンゴル)が伸びた理由
2024年以降、ロシア向け中古車輸出は大きく減少しました。
背景には国際的な経済制裁や関税・リサイクル税の強化があり、輸入コストが上昇したことが挙げられます。
その結果、日本から輸出される中古車は、UAEやモンゴルといった第三国を経由する再販ルートへとシフトしている可能性があり。
ロシア輸出減少は経済制裁と自国通貨の不安定差
通貨(原油)相場の影響も大きく、ロシア通貨は2024年12月~2025年4月で27%下落しました。
また、自動車輸入に対してリサイクル税が改定され、関税負担が増えたことで輸入中古車を排除する動きも強まっています。
📈 2025年1月~3月のキルギス向け輸出は567%増加しています。

4.UAE・モンゴルの再輸出フロー(どこに運ばれる?)
中古車輸出では、必ずしも「日本→最終消費国」という単純な流れだけではありません。
UAEやモンゴルは、保税・陸路輸送・通関の柔軟性を活かし、再輸出のハブとして機能しています。
UAEとモンゴルが増加した要因
2024年以降、UAEとモンゴルが日本の中古車輸出先として急上昇しました。背景には、
- 再販拠点機能の強化
- 陸路・通関の利便性
UAEではドバイ港での保税再販が可能、両ハンドル車対応という柔軟性も魅力です。
💡 UAE経由で制裁対象国へも間接輸出が増加中。
モンゴルはロシアに近く、寒冷地仕様SUVの人気が高まっています。


ロシアに輸出できないとどこに行く?
ロシア向け輸出減少の代替先として「UAE」「モンゴル」などが急浮上しています。
- UAE(アラブ首長国連邦):中東~アフリカ、旧ソ連諸国への再販ハブとして機能
- モンゴル:陸続きで通関が容易。SUV・4WDの需要が高い
🔁 ロシア向け停止→再販国シフトが加速中。UAEやモンゴルはゲートウェイとして注目。
UAEからどこに運ばれる?
UAE(特にドバイ港)は世界最大級の中古車再輸出ハブです。日本からの車は保税在庫として保管後、世界へ再販されます。
- アフリカ諸国(ケニア・ナイジェリア等)
- 中央アジア(カザフスタン・ウズベキスタン等)
- 旧ソ連圏(アルメニア・ジョージア等)
- 中東周辺(イラン・イラク等)
モンゴルからどこに運ばれる?
モンゴル経由の多くは再販目的でロシア・中央アジア方面へ陸路移動します。
- ロシア極東~シベリア:ウランバートル経由で再登録
- カザフスタン:陸路輸送後に再整備
- ウズベキスタン・トルクメニ:物流網拡大中
🧭 「日本→モンゴル→ロシア」の制裁回避ルートが注目されています
5.国内オークション相場(USS)と中古車輸出の関係
中古車輸出の価格形成は、国内オークション相場と密接に連動しています。
特にUSSオークションは、輸出業者の仕入れ基準として機能しており、海外需要が強い車種ほど落札価格が上昇します。
近年は円安と海外需要の重なりにより、輸出向け車両の仕入れ競争が激化しています。
USSオークションの価格推移と輸出市場の相関
成約平均単価と出品台数の推移(2021〜2024年)
| 年度 | 累計出品台数 | 平均成約単価(千円) |
|---|---|---|
| 2024年 | 3,106,000 | 1,185 |
| 2023年 | 3,150,000 | 1,010 |
| 2022年 | 2,829,000 | 967 |
| 2021年 | 2,732,000 | 867 |
輸出向け査定で重視される5つのポイント
輸出業者が買取査定時に重視するのは、国内での中古車査定とは異なる視点です。特に次の5つのポイントは、輸出価格を左右する重要要素です。
- 車種とグレード:プラド・ハイエース・RAV4など、輸出向け人気車か?
- 駆動方式:4WD・ディーゼル車は海外で圧倒的人気
- 色・装備:パール・黒・寒冷地仕様・革シートなどが評価加点
- 修復歴:走行可能であればOK。事故車でも十分価値あり
- 年式と走行距離:国によっては「初度登録から7年以内」制限あり
「事故車」「過走行車」でも上記条件に当てはまれば高額査定が期待できます。
買取実績

| 年式 | 2019年 |
|---|---|
| 走行距離 | 83,000km |
| 破損箇所 | 事故車 前方損傷(修復歴有) |

| 年式 | 2012年 |
|---|---|
| 走行距離 | 112,000Km |
| 破損箇所 | 災害車(冠水車) |

| 年式 | 2021年 |
|---|---|
| 走行距離 | 36,000Km |
| 破損箇所 | 事故車 後方損傷(修復歴有) |

| 年式 | 2022年 |
|---|---|
| 走行距離 | 5,000km |
| 破損箇所 | 事故車 後方損傷) |

| 年式 | 2023年 |
|---|---|
| 走行距離 | 21,000km |
| 破損箇所 | 事故車 前方損傷(修復歴有) |

| 年式 | 2015年 |
|---|---|
| 走行距離 | 44,000km |
| 破損箇所 | 故障車(ミッション不良) |
6.中古車輸出の規制(年式・排気量)と“売り時”
中古車輸出では、各国の輸入規制が「売れる・売れない」を分ける重要な要素になります。
年式制限や排気量制限を超えてしまうと、輸出対象から外れ、相場が一気に下落することもあります。
■ポイント:高く売るための“中古車の売り時”3選
- 車検の3ヶ月前:再販側が「整備不要」と判断しやすい
- 走行距離9.8〜10万km直前:10万kmを境に価値が下がる傾向
- 月末の仕入れタイミング:業者の仕入れニーズが集中
■各国の“輸出条件”も意識しよう
| 国名 | 年式制限 | その他条件 |
|---|---|---|
| 🇷🇺 ロシア | 制限なし(再販用) | 2000cc以下のみ/600万以下(2023年以降の制裁措置) |
| 🇦🇪 UAE | なし | アフリカ再輸出あり。事故車も流通可 |
| 🇲🇳 モンゴル | 制限なし | 右ハンドル歓迎(自国は左ハンドル)、ウランバートル市にてナンバープレート発行制限 |
| 🇲🇾 マレーシア | 5年以内 | 特定モデルは例外扱い(高級車の需要有) |
| 🇨🇱 チリ | 10年以内 | 左ハンドル推奨。輸入許可の条件あり |
| 🇹🇭 タイ | 厳格な規制あり | 基本は商用再利用ルートのみ |
| 🇵🇰 パキスタン | 3年以内(一般乗用車) | 5年以内なら商用車輸入可 |
🚗 輸出は“時間との勝負”!
特に年式制限がある国へは「期限を過ぎると一気に価値が下がる」ため、今が売り時かもしれません。
■売却前チェックリスト







